噂の「電車男」読んだよ。

a2c_sato2004-12-08

 月曜日に八重洲地下街にある古本屋で購入して、今日読了!
 「電車男」(中野独人・新潮社)
 http://www.esbooks.co.jp/books/detail?accd=31443431
 ノンフィクションにジャンル分けされてるよ。
 ベストセラーになったから、概ねみんな知ってると思うけど、簡単にあらすじを。
 主人公は「電車男」と名乗るアキバ系アニメオタクの青年。ある日電車に乗ると、酔っぱらいの爺さんが乗客の女性たちに絡んできた。勇気を振りしぼってその女性たちを助けるのだが、そのうち1人の女性からそのお礼にと、マグカップをいただく。ところがマグカップのブランドを見てびっくり。「エルメス」のマグカップだったのだ。
 彼女いない歴=人生歴 の彼にとっては、女性に好意にとってもらえる大チャンス。さて、彼は「エルメス」とうまくつきあうことはできるのか?!
 
 まさに現代21世紀のネットクロア(寓話)。文章はそのまま2ちゃんねるのログ(掲示板形式)をさっくり編集しているだけで、出版社の編集能力が問われないのが、ズルいぜ新潮社。この本の編集方法を厳密にいうと、この2ちゃんねるのログを見て、まとめた「まとめサイト」があり、単行本「電車男」はこの「まとめサイト」をそのまま転載しているのみ。雑誌「サイゾー」によると、印税は2ちゃんねるの管理者、ひろゆき氏を通して、そのまとめサイトの匿名者「中野独人」氏にわたる、らしい。ちなみに「中野独人」という名前は2ちゃんねるの「中の」「ひとり」という意味なのだそうだ。

 2ちゃんねるのような掲示板になると、果たしてどこに著作権が発生するのか、これはもう法律の絡む問題。陰謀説的に言えば、おそらくインターネットの普及に対応できていないと思われる著作権法の間隙を縫った、この「中野独人」氏の自作自演の可能性すら考えられる。もしそれを意図して実行できたとなるなら、こりゃ糸井重里にも勝る策士プロデューサーかとは思うが。
 話は逸れるが、今後このような「文学」が発生する可能性は大いにあるワケで、インターネットの参加の非制限性や公共性・共有制を考えれば、著作権を発生させるのは望ましくないだろう。法律書著作権が反映されないのと一緒。
 
 どこまでが本当でどこまでが嘘なのか。半信半疑ながらつい本の内容に引き込まれていく、ストーリーの勝利と言っておきましょう。
 となると、ウチの会社にもビジネスチャンスがあるわけで・・・・