日本プロ野球オーナーはこの本を読め!

a2c_sato2004-12-16

 昨日のつづき。
マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男」(マイケル・ルイス/著 中山宥/訳・ランダムハウス講談社
 http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31350692

 
 アスレチックスのゼネラルマネージャー、ビリー・ビーン。お金がなく強力な戦力補強ができないアスレチックスを常勝集団に変えた男である。といっても彼はコーチや監督ではなく、マネージャーであり経営者。
 彼は野球の見方を変えた男なのだ。今でこそ日本プロ野球でも野村克也元ヤクルト・阪神監督の成果もあって「データ野球」という1ジャンルが確立された。しかし、果たしてそのデータをどう活用するのか。野球で最大限に効果を発揮させるデータとは何か、という議論には至っていないと思う。野村データ野球は、今までの野球論に花を添えた程度でしかない。
 ビリー・ビーンは単純明快である。「敵チームよりもより多く点を取るために必要な選手の能力は何か?」という点のみを重視した。過去にデータから野球を変えようとした野球評論家、ビル・ジェイムスの理論を進展させ分析した結果、選手に必要な能力とは「出塁率」と「長打率」の2点のみであると結論づけた。盗塁で足が速いことよりも、華麗な守備で観客を沸かせることよりも、フォアボールがとれる選球眼のある選手・もしくはストライクゾーンをコントロールできる選手を採用したのだった。 
 事実2002年のアスレチックスは、驚異の103勝59敗でシーズンを終えてるから、実証されていることになる。
 果たしてビリー・ビーンは異端児なのか、それとも野球を革命的に変えた救世主なのか?今年1年揺れた、日本のプロ野球問題を考えるにあたって最適な一冊!