Qたろを虜にする地図の生みの親

a2c_sato2005-05-12

 会社で頼んでいたやつが月曜に届いて、さっくり読了!
「全てがゼロ、だから成功する 地図王への道」(黒田敏夫・講談社
 http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31520496
 地図の出版物の最大手「昭文社」。名前を見ると老舗っぽいけど、実はまだ創立して40年ほどの会社なのです。その昭文社を創立したのがこの著者。ジャンルの扱いとしては、一代にして150億以上を売り上げる会社を作ったビジネス書となってますけど、オイラにゃあ出版業界を知る一冊でしたよ。
 兵庫県出身の著者は、神戸で丁稚奉公ののち身一つで上京、今でも存在する地図出版会社・人文社のセールスマンとして地図を売り歩き、独自のセールスノウハウにて人文社のトップセールスマンに。転機は飛び込み営業で入ったアメリカ大使館。第二次大戦後、当時のアメリカは日本のありとあらゆる情報を欲しており、この氏に「日本にあるすべての地図を買い集めてくれないか、地図はそちらの言い値で買う」と求められたのだった。日本で市販しているいる全ての地図だけでなく、自治体が独自に発注して作成された下水道図や都市計画図など、思いつくものありとあらゆる地図を買い集めて、結果売り上げた金額は2000万円!東京オリンピックの時代に2000万円だって!
 起業を志していた著者は、まんをじして独立。セールスマン時代の営業経験とアメリカ大使館に請われてあるありとあらゆる地図を目の当たりにした地図の商品知識を生かして、地図出版会社「昭文社」を設立する。
 http://www.mapple.co.jp/
 今となっては当たり前だけど、当時は地図は書店では売っていなかった時代。国土地理院の発行する地形図しかなかった時代に、市町村別に掲載範囲を分けた地図がヒット!その後もグルメマップや旅行ガイドブックに渋滞抜け道地図、最近だとお年寄り向けの大きな字の地図や東西南北の原則を無視し若い人にヒットした「リンクリンク」などなど、次々と地図のヒット作をとばす。
 著者氏は即断即決を心がけており、決定事項はワンツースリーの三秒で決めるようにしているのこと。うん、なんかわかる。決めごとにうにゃむにゃしていたら、その時間がもったいないし、また決定事項があるかどうかというのは、仕事を進行して想像力をめぐらせば、ある程度予測判断ができるからね。ライブドア堀江社長の「想定内」というのもある程度本当のことでしょうな。ほれぼれするような営業マンですわ。
 ちなみに、昭文社の主力商品「マップル」は、随時実際にその道を走って情報更新しなければならないのですが、その経費が年に1億5000万円!ちなみにQたろの大学の先輩はこの仕事をやってます。確かに骨の折れる仕事だなー、と話聞いたり実際の作業を見ていて思ったもんね。