ソニーの正体に迫る「ソニー本社六階」

a2c_sato2005-06-20

 仕事中に八重洲の古本屋にて購入。1400円が900円。

 「ソニー本社六階」(竹内慎司・アンドリュープレス)
 http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31510958
 著者は、文中にもありますが、大学の同級生に今を時めく楽天三木谷社長、というような男ってことで想像してください。
 先にいいますと、暴露本的ではあります。何せ出版元が失礼ながら名の知れぬ会社。大手出版社は雑誌のソニーからの広告拒否を恐れたのでしょう。しかし確実に自分の言葉で書いている意思が見えるから好感を持ちます。中にゃ人脈ばかりをベラベラ話すだけの本もあるからね。美談をいっさいなくし、徹底的に客観的にソニーを分析、論じていく姿こそビジネスマンの本来の姿のはず。
 著者は経営企画室という、経営層に会社全体の経営情報を提供するセクションで勤めていた。本社七階にある役員室直下の六階に職場が設けられ、会社全体から揶揄も含めたところから「本社六階」といえば経営企画室を指すものであった。会社全体の、偽らざる経営情報がすべてこの経営企画室には入って来ることとなり、著者はソニーの現実の全貌をみることができる立場にあった。
 中でもコロンビア映画の買収と500億という膨大な赤字について文の多くを割いており、大企業の組織の硬直化はソニーとて例外ではなかったようだ。
 確かに、最近のソニーは「ん?」と首を傾げるような状況が続いていると言わざるを得ない。鳴り物入りで登場したPC事業「VAIO」は市場を席巻するほどには至らず、携帯音楽プレーヤーではiPodに大きく水をあけられ、自慢の映像機器技術もプラズマビジョンの撤退。
 企業ブランド戦略に長けているソニーとて、家電メーカーであることには変わらず、なーんだか自分の会社でも見かける光景でした。技術や理念は違えど、人間の行動は基本的には変わらないってことか。

 経済誌出身の友人いわく、会社に必要なのは、ビジョン、スキル、そしてマネー。これさえしっかりしていればあとは何とかなる、なのだそうだ。
 会社だけじゃなく、人間にも応用できますよ、この3つは。3つのうち、自分に足りないものを探してみよう。