大仏破壊は9・11のプレリュード(前奏曲)だった「大仏破壊」

a2c_sato2005-09-24

「大仏破壊」(高木徹文藝春秋
http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31477677
NHKプロデューサーの氏が、番組を書籍化した、ちょっとズルい作品。
というかNHK出版から出版しないあたりが、NHKの金儲けの下手さと高木氏の反骨的な匂いを感じておもしろい。
2001年3月にアフガニスタンを実行支配している政権、タリバンが行った、バーミヤン大仏遺跡の破壊。実はこの破壊を指揮したのはアルカイダビンラディンだった。
いじめられっこが暴発して大事件を引き起こす。タリバンアルカイダ、それに関わる大仏破壊と9・11
突き詰めると、人間の性根を見るようで、業が深い。
どうやら、私たちが思っているタリバンアフガニスタンビンラディン像、そして大仏を破壊するに至る経緯は、微妙に異なっているようだ。
この国際社会の経緯の中で、登場する日本人というのが田中浩一郎氏のみ、というのはあまりに寂しすぎる気がする。仏教文化の国であるならば、総理ならずとも文化庁や文部省の声明や実務交渉があってもいいだろうに。

しかしこの本が講談社ノンフィクション賞ってのも、微妙。