21世紀の戦争は、イデオロギーなき戦争の時代「戦争請負会社」

a2c_sato2005-09-26

先月半分読んだんですが断念して売ることにしました。訳文で難解なうえに総ページが500やで。半分読んだだけでも褒められるってこったい。

「戦争請負会社」(P.W.シンガー/著 山崎淳/訳・日本放送出版協会
http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31472429

戦争とは国家同士がプライドをかけてなすもの、という常識を打ち破る作品。
傭兵が集団化、組織化、グローバル化したもの、という感じだとお思いください。二国間で戦争を行っても主たる戦力はアメリカの戦争請負会社なのだ。
さすがアメリカというべきか、つまり戦争請負会社は社会的責任を排した、究極の企業ということになる。
イラク遺体が焼かれ切り刻まれ町中で轢かれさらされたのが、アメリカの軍人でなく企業人だったのは覚えている?
国防すら外注民営化されたら、国という存在の根幹が揺らぐよ。主要国で民間軍事請負企業が活動してないのは、日本・中国・インド・ドイツくらいなのだそうだ。
カンパニーもフリーランスの語源は傭兵。歴史的にも軍事が組織形態や契約形態に影響を与えている証拠なんだねぇ・・・。

もし既にフセインビンラディンがこれらと契約しついるなら、ブッシュの戦争の大義は意味を成さなくなる。それどころか国の存在意義すら薄れる。領土と国民を守るのが国の役割であるはずなのに、国の役割は支払いのみ。(学者にいわせると国家というイデオロギーが発生したのは人類の歴史上300〜400年なんだって)
実際に前線に赴くエグゼクティブアウトカムズ社、軍事コンサルタントのMPRI社、兵站に特化するBRS社が事例にあがります。特にエ社の話はエキサイティング。
戦争広告代理店と双璧をなす、21世紀の戦争がわかる本です。