「雑誌を死に体にしてしまう法律」その2
昨日の続き。
雑誌「文芸春秋」は、立花隆の「田中角栄金脈研究」で、田中角栄の不正を発覚し、総理大臣を辞任しました。
桶川ストーカー殺人事件で、自ら犯人を割り出してスクープしたのは、今はなき写真週刊誌「FOCUS」。ここから埼玉県警の不祥事が発覚し、ストーカー対策法の制定へと政治家が動きました。
「遺言 桶川ストーカー殺人事件の深層 」(清水潔/著・新潮社)
http://www.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=30745146
雑誌ジャーナリズムを知りたいなら、この「遺言〜」だけは読んで欲しい!
一記者が警察に代わって犯人を追いつめようとす気迫が、これでもかというくらい溢れています。
これこそ雑誌ジャーナリズムの、たぎる熱い血!
じゃあ、新聞やテレビは何をやってるの?という話になるよな。
テレビや新聞は「記者クラブ制」という、独占的に省庁の情報をもらうシステムがあります。かわりに省庁の都合の悪いことは書かない、という暗黙の了解もそこには存在します。
いわばテレビや新聞は特権化してしまい、(実際「個人情報保護法の適用除外」だからね)テレビや新聞が骨抜きにされている現在、政治家のスキャンダルを書けるのは雑誌しかないわけですよ。
それでも政治家の皆さんは雑誌をも法律でねじ伏せようとしているんだから!
ウチらの税金で彼らは給料払ってるんだから、公人としての監視は必要でしょ!
それもできない世の中ってどーなのよ?!そんな不正を発覚できない、スキャンダルをスクープできない雑誌なんて、死んだも同然だよ!
いずれにせよ、この法律があまりにも曖昧で、主務大臣の解釈によっていくらでも適用できてしまう。これはあまりにも危険です。
この「個人情報保護法案」にいち早くしたのは、フリーランスのライターでした。
そのなかでも、おいらのお気に入り雑誌「ダ・カーポ」が窓口になって、「個人情報保護法案拒否!共同アピールの会」を設立、この議題についてもっとも活躍している団体となりました。
http://bustersjapan.org/
こういう意外なところで無骨な「ダ・カーポ」が好きなんだよなー
こんな雑誌を守るんだったら、オイラはいくらでもこの法案拒否について支持するよ。
やがては生活をおびやかす危険だってあるこの「個人情報保護法」。みんなもどこかで思い出して考えてくれたら、嬉しいな。