仕事帰りの不条理劇と理不尽映画にはご注意を。

 今日は地元の友人が舞台美術をやっている劇団の演劇を見に行きました。頑張ってほしいので、宣伝!
 劇団夢幻舎(むげんしゃ)といいます。
 http://www.mugensha.com/j/index.htm
 今回の劇は「不条理劇」。不条理をたやすく解釈させないくらいの不条理っぷりでした。簡単にいえば理解不能。しかしこれほど演じる人にとって魅力的な演劇もないんだろなーと、いちサラリーマンながら思ってしまいました。
  
 今日はこれまた映画の紹介。ビデオを借りて見たけど、これまたスゴイ作品に出会ってしまいました。
 「鬼が来た!
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00006RTUV/qid%3D1058457511/250-8831074-8132268
 カンヌでグランプリ取ってるんやね、知らんかった。
 中国人の監督による作品です。でも香川照之が日本人役で出てます。

 舞台は日中戦争末期の中国のある一農村。ある夜”私”という人物が中国人青年の家をいきなり訪れ(といっても扉越しの腕しか映画には出てこない)、男に麻袋2つを預ける。しばらくしたら戻ってくるから、それまで預かっていろと言う。麻袋に入っていたのは日本兵と中国人の通訳だった。
 いつ戻ってくるかわからない”私”におびえて2人を逃がすことも殺すこともできず、しかも日本兵も通訳も何故連れてこられたのか何故捕まえられたのかがわからない。村人も青年にいやおうなしに協力することになってしまい、それぞれの不満が交錯する。
 しかもいつまでたっても”私”は戻って来ないのだが、そのうち日本兵も村人に気を許すようになり、解放と引き替えに日本軍から食料を調達する計画を立てるのだが・・・
 前半は、登場しない”私”を中心にまわる理不尽な劇、そして後半は日本軍と村人が・・・とこれ以上はネタバレになるからやめておこう。
 結論を言ってしまうと、結局”私”が何者かわからないで映画は終わります。でも犯人が誰か、を探す映画ではないということに、見終わった後気づくのだ。前半の理不尽さを超える人間の「正と負」が後半は描かれて、前半の話吹っ飛んじゃうもんね。
 
 日本と中国の関係は近づいたり離れたり、をくり返してしるそんな歴史を見ているかのようなストーリーになっています。

 人間とは因果なものよのう、とつぶやきたくなっちまいました。

 不条理だの理不尽だの狂気だの、あんまり見過ぎると爆発しちゃうから、ホドホドにね。