権威ある芥川賞・直木賞は、意外と商売っ気たっぷり

 先週の話だけど、芥川賞直木賞が決まったね。
 http://www.asahi.com/culture/update/0717/006.html
 芥川賞吉村萬壱氏の「ハリガネムシ
 http://www.esbooks.co.jp/product/all/top/cb?accd=R0012628
 直木賞には石田衣良氏の「4TEEN」
 http://www.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=R0012521 
 そしてもう一人、村山由佳氏の「星々の舟」
 http://www.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=R0012460

 もちろん本読みのQたろうはこれらの作家さんを読んだことがありま、せん。
 だって入試問題くらいにしか出ないじゃん、芥川賞直木賞なんて。

 とはいえ、出版業界的には画期的なシステムなのですよ、この芥川賞直木賞ってのは。

 作家でもあり、雑誌「文藝春秋」の創刊者編集長であった、菊池寛。この人が芥川賞直木賞を作った人なのだ。
 何が画期的かというとですね、夏と冬に本を買わせるようにしたってのがこの人の商売上手なところなのです。

 何で夏と冬に本を買わせるかって?答えは単純、売れないからですよ。
 春は新学期・新年度ということもあって教科書や○○語講座テキストなんてを買ったり(買わされたり)、気分も改めて新しい雑誌を、なんてところで業界的には盛り上がる季節なのです。そして秋は「読書の秋」、夏の暑さも和らいだころにはゆっくり秋の夜長を楽しむように本を読みたがるものですし、大学だと後期がはじまりますから、また教科書を買います(買わされます)。
 その狭間。夏と冬っては何のイベントもなく、本が売れるきっかけがないんですわ。業界用語ではこれを「ニッパチ」と言っとります。

 菊池寛はそこに目を付けました。2月と8月の1ヶ月前に文芸作品を選定、「賞をつけたよー」とマスコミに流布。そして次の月の文藝春秋社の雑誌で受賞作を掲載することで、雑誌が売れる(文藝春秋社の雑誌が)。そしてもちっとしたら、キチンと単行本を作って、これを売る。本に関しては原稿を書く時点で著者と出版社の契約があるので、すべて文藝春秋で、ってわけにはがいかないんだけど。

 http://www.bunshun.co.jp/kakusho.htm

 と、ゆーわけなのだ。上に書いたイーエスブックスのブックマークはすべて予約注文で、作品読みたきゃ文藝春秋買え!ってことです。
 大丈夫、読まないから♪