Qたろうの「さらば、立花隆」 その3

 1995年、日本を揺るがした大事件が起きた。ご存じ「地下鉄サリン事件」。

 前に紹介した森達也氏いわく、この年から不可解な事件が起こるようになった、と。
 殺人にしても、金銭トラブルだったり、政治的意図や、男女の遺恨などなど、昔はその背景に一般の人間でも理解できる「根拠」があったはずだった。しかし地下鉄でサリンを撒いて無差別に殺人を行う、その理由をオウム、麻原氏はいまだに答えていないし、評論家の解説も釈然としない。
 神戸の酒鬼薔薇事件、和歌山カレー毒物混入事件、新潟の少女監禁事件、そして最近では悲しいかな長崎幼児誘拐殺人事件。
 どの事件も犯人は逮捕されているのに、事件の核心には誰も触れられないし、誰も明確な答えを得られない。

 こんな時代に、答えを常に求めようとする立花氏に、果たして「頑張ってくれ!」なんて言えるだろうか。そんなことは言えないし、それは立花氏でも不可能だ、と感じてしまうのだ。
 時代が変わりすぎてしまったのだ。 

 立花氏の、Qたろうの思う最大の意義は「勉強するとはこういうことだ」ということを教えてくれたことだ。
 ちなみに話のついでに。もう一つ「ああ、勉強しなきゃあな」と思わせる映画がある。スタジオジブリの「耳をすませば」なのだ。
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005R5J9/qid=1060419272/sr=1-1/ref=sr_1_2_1/249-7905273-9277164
 有名な映画なので内容紹介は割愛するけど、知っている人はなんとなくわかるでしょ、「あー頑張らなきゃ、自分」という感覚。
 この主人公、雫の父親役の声優ってのが、実は立花隆氏だったのだ。なんっつー偶然!
 
 他にも読んだ立花本はこんな感じ。
 「ぼくはこんな本を読んできた」(文春文庫)
 http://www.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=30509890
 「立花隆のすべて」(文藝春秋/編・文春文庫)
 http://www.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=30794157
 http://www.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=30794157
 ↑改めてみると恥ずかしいタイトル。アイドル本みたい。

 そして「立花隆秘書日記」
 http://www.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=31107724
 この本を読んで著者の元秘書と同じく、ああ、Qたろうも立花隆から卒業だな、と思ったのです。
 ここまでリキの入った日記を書いたのは初めてだよ。ふぅ。