思い出のマンガやアニメはこうして創られていた

a2c_sato2004-12-02

 さっくり読了!仕事が絡むと読むのも速い。
 「マンガ産業論」(中野晴行筑摩書房
 http://www.esbooks.co.jp/books/detail?accd=31400381
 元編集者で現在大学教授の氏が、90年代までのマンガの発展と現在の停滞の理由を論じてます。大学教授だけあってタイトルどおり内容は論文みたいな感じ。だいたいがマンガ産業を丁寧に歴史を辿る記述になっています。が、これをじっくり観察することがマンガ産業の構造を知る手がかりなのですね。
 マンガの発展が、実は手塚治虫が始めたプロダクションシステムによって支えられ、それ自身は30年前と構造がまったく変わっていない、というくだりは瞠目。そしてマンガの90年代までの膨張的なまでの発展は、実はそのプロダクションシステムがつくられた頃にマンガに出会った子供が、そのまま大人になってもマンガを読んでいただけ、なのだそうだ。
 マンガ雑誌の盛衰をしることは、雑誌を仕事で扱っているオイラとしては、十分タメになる内容でした。

 ちなみに、現在の子供は生まれた頃からテレビやゲームにどっぷり浸っており、「マンガが読めない」んだって!カット割りや吹き出し、効果音・オノマトペが「理解できない」のだそうだ。はぁ〜。さらに今後その団塊の”マンガ”世代が次々と退職していけば、読者市場がまた変わっていく可能性もあるだろうし。
 Qたろ的には、どれだけインターネットが普及しようが電子出版ができようが、「コンテンツ」のみがマンガの命であり生きる道であると思うけど。出版社はやっぱりそれが何より会社の資産であり理念であり生命線だよ。