「ルサンチマン」に続くオタクの主張「電波男」その2
「電波男」(本田透・三才ブックス)
http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31505961
しかし、と引っかかるところも。
ひとえに「イケメン」と「ブサメン」で女性に問題外視される、というのは、少し窺い過ぎではなかろうかねぇ。確かに最終章を読むに、人と違った幼少期を過ごした事は否めないし、それがトラウマになっているのも正しいだろう。
2次元は思い描いた通りの世界だろうけど、その世界にしたって「かわいこ」キャラクターを選別しているのだから、それは女性のしていることと何ら変わりはない。
むしろ注目すべきなのは、社会に対する主体性を積極的に排しているところじゃなかろうか。フリーターやニートが増加していると同じく、オタク人口が増えていることは、共通性があるような気がします。
社会から積極的に関わらなくしようとしているからこそ、フリーターやニートが積極的に主張したりしないのと同じように、オタクも大々的に主張する人はしない。本田氏というキャラクターは希有な例。
オタク、加えてフリーターやニートが増えているのは、何と言う事はない「働かなくても食っていけるから」でしょ。もちょい言うなら「真に自分に向き合う努力をしなくても、そこそこお金が手に入る」から。
もちろん「恋愛資本主義」がこのまま続くとは思わないし、あまり続いてほしくないと思う。
やっぱり、漫画「ルサンチマン」の長尾(よく考えたら負け犬の代表的なキャラクター!)の言葉が心に響く。
「生きてりゃ痛いに決まってんでしょ!」