立派、じゃなくても正しい大人になるために

a2c_sato2005-05-20

 ご近所ブックオフにて発見!300円だってからねえ。
 「大人問題」(五味太郎講談社文庫)
 http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=30820447
 絵本作家五味太郎氏のエッセイ。タイトルは、正しくは「大人」と「問題」のあいだに「が」「は」「の」が入っています。つまり「大人が問題」であり「大人は問題」であり「大人の問題」と、いかようにもとれるニクいタイトル。
 五味氏のとりとめのないエッセイですが、氏は子供の心と視点を忘れておらず、しかしこちらがドキリとする見解を投げかけてきます。挿入されるイラストの可愛らしさばかりに目を奪われていると火傷しちゃうよ。
 五味氏を表現するに、ゆるやかにゆるぎない人、と表現すればいいのかなあ?
 
 世の中なにがいちばんむずかしいかって、実は自分をしっかり持つことがいちばんむずかしい。どんなに向かい風の状況でも、自分の主張を自分の言葉と経験で語ることはすばらしいと思うし、五味氏はそれができる、カッコイイ大人なんですよ。こればかりは本を読んでもらわなきゃ説明しにくいなぁ。
 氏の意見にある、10歳までのこどもはどこへ行って何をやっても無料、というのは賛成!こどもの好奇心を削がない心がけは、大人の義務ですよ。
 ちなみに五味氏は絵本作家ですが、出版社から請われてから作品を描いたことがないらしい。すべて自分のインスピレーションで絵本を描き、それから出版社にかけあうのだそうだ。ホンマかいな。