信じる者は馬鹿を見るのか救われるのか「心理テストはウソでした」

a2c_sato2005-06-13

 先週、ご近所ブックオフで購入。だいたい読み終わりました。
 「心理テスト」はウソでした 受けたみんなが馬鹿をみた」(村上宣寛・日経BP社)
 http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31515535
 
 著者は心理学から統計学までを幅広く研究する大学教授。
 いちばん有名な血液型検査から、インクのシミからで心理状態を解明する「ロールシャッハテスト」、就職試験で多く使用される「内田クレペリン検査」、性格検査で使われる「矢田部ギルフォードテスト」など、これらを一つ一つ解きほぐし、テストの有効性について疑問を投げます。
 アカデミズムの人であるせいか、自分の被験者(大学生)や読者にサービス精神が足りない感じ。ま、反感を買うことは承知のうえなのかもね。人間としては魅力的かも知れないけど、逆に。
 2章以降から話は面白くなります。1章の血液型診断は興味は惹かれるが実証を伴ってないのでイマヒトツ。
 基本的に難しい話なので、流して読みました。概要知るならこれくらいでいいでしょう。

 思うに、純粋に心理テストを盲信している人はいないとは思います。著者も書いてますけど、就職試験の判断で心理テストを使用して、それが業務に反映されるかと言うと、それはないでしょう。むしろそれでも何故、就職試験でテストが使用されるかというと、それが採用側の防波堤になっているからでしょう。「これだけやったんだから、社会的にも認められるでしょウチの会社」というような判断。テストの信頼性があって、テストを採用しているようには思えない。
 また血液型診断にしても、どれほど有効性があろうとなかろうと、コミュニケーションツールとしていくらでも機能するでしょう。正しいとか正しくないということじゃなくてね。