メディア支配はパンドラの箱か?「メディアの支配者」

a2c_sato2005-10-19

「メディアの支配者 上巻」(中川一徳・講談社
http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31558084
冒頭はフジテレビ代表取締役日枝久会長のインタビューからはじまる。氏がニッポン放送の子会社化をまさに終えようとしていた時のインタビューであるが、まさかライブドア社長、堀江貴文氏に一気にニッポン放送株を買われるとは思いもよらなかった。。。
今年1月、経済界だけではなく、働いている誰もが「会社はだれのものか」という問題に直面した、ライブドアによるニッポン放送株大量取得問題。
今回のこの一連の「事件」を知って、初めてフジテレビとニッポン放送の資本のねじれを知った人も多いのではなかろうか。

この本の上巻では、1992年に行われるフジサンケイグループ鹿内宏明議長の解任騒動から話が始まる。ちなみにこの時にこの「クーデター」をとりはからったのが、当時フジテレビ社長、現在フジテレビ会長にある日枝久氏なのだ。
フジテレビがどのようにして誕生したのか、そして他のメディアと異なって、なぜ鹿内一族による経営が行われるようになったのか、上下巻あわせて700ページにも及んで語られていきます。
なぜ大手町に産經新聞本社、サンケイビルがあるのか、なぜお台場に観光地化したフジテレビ本社が移転になったのか、なぜフジテレビは制作会社が別に存在するのか、読むごとに鹿内氏の強権政治、メディア支配への執着が見えてきます。

さすがは力作で、今年の講談社ノンフィクション賞を受賞しました。
http://www.kodansha.co.jp/award/h17_non_essey.html

まだ上巻だぜよい