武器が戦争悲劇に変えた「カラシニコフ」

a2c_sato2005-11-02

カラシニコフ」(松本仁一朝日新聞社
http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31402256
前に書いた「戦争請負会社」が、戦争の民営化により戦略的マクロの現場の話ならば、カラシニコフは実際のアフリカの戦場の話。朝日新聞で連載されていたそうな。
大量生産され取り扱いもやさしいことで、世界中に出回っている小銃「カラシニコフ」から、戦争をフォーカスしています。
カラシニコフのなかでも最も使われているAK47。湿度の高い状態でも砂埃の激しい地域でも取り扱いが可能で、曲がった弾丸でも発射できる、ソビエトの技術者が発明した小銃。8つしかないパーツでメンテナンスも10分で終えることができてしまう(日本の自衛隊のものは2時間はかかる)。
シエラレオネではゲリラが村々を襲撃し、子どもを拉致し、扱いの簡単なAKを預けることで戦力としている。

カラシニコフをとりまくアフリカの国々の貧困と無政府状態も、朝日新聞らしく簡潔な文章で取り扱ってます。

その国の維持を図る尺度は、教育と治安にどれだけ国が力を入れているか、なのだそうだ。具体的には教師と兵士にキチンと毎月給料が振り込まれているか、ということだそうだ。
強く納得!

この武器を開発したロシアの技術者カラシニコフ氏は、いまだ健在なんだって。
彼は「ドイツに侵略されるソビエトを、祖国を守りたかったため」にこの銃を開発したのだそうだ。