ワガシャの雑誌とネットワークビジネス
いまさらですが、Qたろうは超おカタイ出版社で営業として勤めています。担当は雑誌メインの書店取次営業です。
おととい月曜日に、ウチの会社で刊行している。雑誌が発売になりました。日経新聞やJRの車内に広告を入れている唯一の一般誌でございます。
この雑誌の今月号の売れ行きがいいのです。
しかし、ちょっと様子がおかしい。
まず発売前から問い合わせがありました。それは構わないのですが、問いあわせというのは「今回○○社の記事が掲載されているんですか?」というもの。それが発売前に1日に数件。
そして発売日をむかえるといっせいに書店から注文の嵐。5分に1回はこの雑誌の注文の電話で、すでに発売3日めの今日に、在庫を売り切ってしまいました。
この「○○社」。何かとおもってネットで調べてみたら、つまるところ「ネットワークビジネス」の会社だったのです。
これらの会社をウチの雑誌で取り上げることで、「ホラ、ウチの○○社はこの雑誌にも記事が掲載された信頼おける会社なのですよ」というのを、ディストリビュータとよばれる営業マンがアピールするために、雑誌が多数注文が入ったのです。
しかしこのディストリビュータ制度、決して優れた営業方法とは言いにくいのが、正直なところ。
詳細については、ここで書くにはしんどいので、このリンクでご勘弁を。
http://ja.wikipedia.org/wiki/連鎖販売取引
いずれにせよ在庫を確保しなければならないので、出庫作業と並行して、さまざまなところから在庫を確保し、いろんな業者さんに問い合わせました。
その中でも取次(出版業界での卸売)にその経緯を話たら、なじみの担当はこう言いました。「なんだ、早く言ってくれればいいのに〜。Qたろうさん残念だなぁ」と。
あたりまえのことですが、株式会社は商品やサービスを提供し、その付加価値を利益とし、つねにそれを追求することです。しかし一方で理念なき企業は社会に歓迎されないのも事実。時価総額が手段でなく目的なってしまったライブドアの、この一週間の動きをがすべてを物語っています。
ちなみにこの「○○社」を調べようとググったのですが、一番目に登場したリンクはその会社の公式HPではありませんでした。公式ページは二番めで、一番目は○○社に関与して結果、被害にを受けた顛末を書いたHPでした。
いやはや。
自分たちが日々書店や取次と関係をもって、一部でも多く売り上げようと頑張るその一方で、ネットワークビジネスでいともかんたんに飛ぶように雑誌が売れてしまう。日頃の活動はいったい何なんだろうかと、ややもすれば徒労感に襲われてしまいます。
そういう意味では、取次の人の言葉は、今回のこの経緯を、あっさりと的を射た言葉だったと思います。