「あの」音楽を聞いて体が動く人に読んで欲しい本!
今日は引っ越しをする会社の同僚から、ママチャリをゲット!!
そしてオイラも来月引っ越しをする先にママチャリを放置してきたのでした。
だって家まで乗って帰れないんだもの。
その近所の駅の本屋で見つけたのがこの本。
「素晴らしきラジオ体操」(高橋秀実・小学館文庫)
http://www.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=31011393
この著者の一番の魅力は書き出しの一文にある。
軽くシチュエーションを説明した後に、
「白帽子に白い肌着のような体操着は、東京都ラジオ体操連盟の定めたラジオ体操の制服である」
この1文だけで、1時間は本に向かってツッコミができる。
東京都ラジオ体操連盟って何やねん!
どっから見つけて来てん、そんな団体!
いまだにそんな格好している人間おるんか!
そもそもその団体、何のためにあんねん!
一文目から不条理を突きつけ、そして彼のサラリとしたツッコミが行間から伺える。
コレがたまらなく楽しい。
著者はラジオ体操から結果的には日本人の「共振」という国民性が姿を見せてくる。
そして彼もラジオ体操の共振に巻き込まれながら、ラジオ体操の成り立ちとそれにまつわる人々を取材していく。
ノンフィクションと聞くと、どうしても身構えてしまうけれども、彼の取材方法は自分もその渦の中に巻き込まれながらも、なおも考えを止めない、しかし取材対象を批評したりはしない。
何より「この人たちは憎めないや」という態度、その姿勢がすごく愛らしく感じるのだ。
ジャーナリスティックでもヒステリックでもない。こんな示唆に富んだノンフィクションが、もっと読めればいいのにね。