斎藤美奈子・作品案内 その1

 今日も読み終わってません。「モルジブが沈む日」手強いのよ。

 そんでは、かわりに、おととい書いた、斎藤美奈子氏の作品履歴紹介しますわ。

 そもそもは彼女は学習参考書などの編集をやっていて、そこから「〜はつまり〜」ということの、しかもそれをいかに小学校低学年に教えるのか、というのは実は著作に欠かせないセンスだということに気づいた、と確か著作の中に書いていました。
 
 そのデビュー作は「妊娠小説」。ホント人を食ったタイトルだよね。
http://www.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=19332017
 まず書き出しから秀逸!「日本には元来、「妊娠小説」というジャンルの文学があります」。そんなもんあるんかいな、と一般読者は笑うし、いかにもインテリの文芸評論家が読んだら青筋立てて怒りそう。
 しかし一般読者から見たら、そうそう確かにそうだわ、そういうくくりでモノを見ているんだよ、ということを彼女は明示してくれるんですよね。

 で、「妊娠小説」で”作品の中の女性”という視点におもしろさを感じたのか、二作目は「紅一点論」を上筆。
 http://www.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=30878851
 アニメ作品の歴史の中で、なぜゴレンジャーもウルトラセブン宇宙戦艦ヤマトも、チームに女性は一人しかいないのか?というところから、女性はどういうような位置づけにあるのかを分析するのです。

 しかしアニメの中の女性ってのはもう既にパロディになっていると思うよ。
 アニメというかSFだけど(まー似たモンだろ)一昨年に単館映画でヒットした「ギャラクシー・クエスト」。設定自体がすでにスタートレックを模してるんだけど、そのチームの搭乗員の一人のシガニー・ウィーバーは(もちろん紅一点)、彼女の仕事はコンピューターから発せられた音声を搭乗員全員に知らせる、というクソもへったくれもない仕事役。
 もちろんそれは彼女も自覚していて「これは私の唯一の仕事なの!」と叫ぶのが非常におもろい!ま、パロディだからそういうつくりになっているんだけど。

 この映画もオススメでビデオ・DVD出ているから見てみてはいかが?

 「妊娠小説」「紅一点論」ともども現在、ちくま文庫に収録されています。