疑ってかかるのは大切だけど、しんどい。

 今日の1冊は、田舎の書店で買った文庫本。移動先じゃ単行本買っても重いからねえ(とても本を愛する人間の言葉とは思えんぞ←自分)

 「それは違う!」(日垣隆・文春文庫)
 http://www.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=31084510
 
 むかし話題になった、「買ってはいけない」って覚えてる?
 あの本の反論本「買ってはいけないは嘘である」という本の文庫版+書き足しが、この本なのね。

 http://www.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=30604740

 狂牛病や遺伝子組み替え食品など、食べ物については不安要素ってのはびっくりするくらい多くなっているのは事実。しかしその情報が正しいものか、確実なものなのか。実は(というほどでもないけど)理系ネタに関するジャーナリズムってのは、文系に比べるとびっくりするくらい少ない。
 記者→文を書く→文系って感じだモンね。さすがにここに文章を書くオイラも自分が理系だとは思えないもん。

 物事を正しく理解するためには、対象は理系も文系もジャーナリズムには問題はないはずなんだけど、その理系ジャーナリズムの少なさってのが、まずオイラが考える、「買ってはいけない」が売れた理由だと思うのよ。

 日垣氏はもちろんもっと突いてくる。
 情報が根拠もないこと、基になる論文を読み込んでいないこと、論理が飛躍していること、根拠がないこと、理路整然としかし鋭く指摘する。「買ってはいけない」が扇動的だ、恐怖政治的だ、と書いているのはもっともなんだけど、何より書き手として、ジャーナリストとして許せなかったんじゃないのかなぁ。

 日垣氏の著作は、どれも根源には「ジャーナリズムとは何だ→常識を疑え」というテーマが潜んでいるようにみえるし、実際どの著作もその期待を裏切らない。

 ガッキィファイター
 http://homepage2.nifty.com/higakitakashi/

 このページも読むだけでためになりそう。著作家としてデキてるよなぁ。