「買い物」でも「四筒」でもない
Qたろの大学の先輩が海運の会社に就職し、数年後配属した会社が「○○シッピング」という社名だった。
そのころ意味がわからんかったもんで、「はぁ、最近は海運の会社も経営多角化してスーパーやってるんや」と思ってしまった。
・・・それは「ショッピング」だろ、アホぉ。
「シッピング」とは「Shipping」で船(Ship)に荷物を積み下ろしする作業のこと。
っつーわけで、今日はレンタルビデオ。
「シッピング・ニュース」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000068P82/ref=sr_aps_d_4/249-3726844-9179521
ケビン・スペイシー、ケイト・ウィンスレット、ジュリアン・ムーアなど演技派勢揃いの映画。
新聞社のインク係で働くしがない30代男、クオイル。両親が自殺し、妻は男遊び放題のあげくに交通事故死。残された娘と叔母のつてを頼って、祖父の故郷であるニューファンドランド島で人生をやり直すことに。
漁師ばかりのその島で任された仕事が、「港湾(シッピング)ニュース」。
本も出ているようだね。
http://www.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=19772604
なんだ、文庫版も出ているじゃん。
http://www.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=30927801
演技派映画、というべきか、ハリウッド的ハデハデ展開はナシ。
映画より、小説の方が賞賛多いみたいだね。どうやら「パブリッシャーズウィークリー」(アメリカで一番有名な書評誌)で年間第1位になったみたいだからね。
Qたろう的には、島の中で起こるしがらみ深い事件の描写がおもしろかった。
田舎だから自然に囲まれた純粋な地元の人との慈しみ深い交流・・・なんて展開じゃないのが、いい。
都会で起こる醜い出来事は、スケールが小さくなって田舎でも醜い出来事として起こる。
新聞でも仰々しく見出しを書けという新聞社社長、近親相姦、成功者へのやっかみ、狭い島の中で起こる対立・・・
その中でもしみじみと生きていこうとする父娘の姿が、すごくいじらしい。
ほのかな暖かみを感じました。
こんな小さな灯りを、心の中にともしていたいね。