「地獄の黙示録」戦うとは?生きるとは?

地獄の黙示録」見終わりました。巨匠フランシス・コッポラの最高作、らしい。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0000635C4/qid=1049115705/sr=1-1/ref=sr_1_2_1/249-6888032-1856335

 いや、しんどい。ズシリと響く重低音の映画。人間の奥の奥まで突き詰めた映画って感じ。
 オイラもそう思ってたんだけど、この映画はベトナム戦争を描いた映画、というよりはベトナム戦争を通して一人の軍人が人間の深層を突き詰めていく、というような映画。コレを見て「だから、イラク戦争反対!」なんて軽々しくは言えませんわ。そういうテーマじゃないもん。

 ストーリーはこういうもの。若き軍人ハーヴェイ大尉が受けた軍からの命令は、軍の方針から外れてベトナムの奥地へ進軍し、その地の部族を集めて自らの王国を築いているカーツ大尉に会いに行くことであった。 

 序盤はまだポップだったんだけどね。とはいっても最初からイカれた登場人物ばかり。
 護衛にあたるの部隊の隊長のキルゴア大佐は西海岸出身で戦争よりもサーフィンに目がなく、攻撃目標もそこに敵の前線があるからというより「いい波が立つ」からというだけで戦闘する。戦闘中、砲弾や銃弾が飛んでるのに部下にサーフィンを試させるとかムチャクチャです。それなのに赤ん坊を抱えた現地民が救いを求めに来ると、ヘリコプターに乗せたりする。矛盾。

 戦場慰問にやってくるプレイガール、ラジオから流れるローリングストーンズ。そしてコカイン。
 そして圧倒的な物量がありながら勝てなかったという現実。
 プレイガールもストーンズもコカインもただ若者を現実逃避させる手段だっただけ、のような気がする。

 それよりも信念に真摯で、理性なしに殺人厭わないベトコンゲリラの方が、兵士としては優れている。カーツ大佐は軍を放棄したけれども、軍人としては自分の兵隊を作ったところでは、軍人を極めちゃいるんだよね。
 これまた矛盾。

 オレンジのギラギラした光が印象的だった。
 完全版は音も映像もキレイ!

 ちなみに、オイラはこの映画見て「ドラゴンヘッド」思い出しました。
 http://www.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=07063581

 カタストロフィーな設定や人間の心の闇を描いている部分は似てるもんな。
 
 このマンガも怖いけど、おもろいよー。今度映画化されるらしい。
 ヒロインがSAYAKAってのがなんだか心配。