Qたろうの読書は欠如による代償行為なのだ!(ウソ)

 前に「何故コレクターとかマニアってのは男しかいないのか?」というような話がテレビにあって、なんだかんだ言ったのち結論は、「最終的に、女は子供を産めるが、男は産めない。コレクターやマニアに走るのはその代償行為なのだ」とわかったようなわからんような結論でした。
 内容はともかく、印象にのこってたテレビシーンなので、思い出してしまったよ。この本読んで。

 「男の出産」(松久淳新潮文庫
 http://www.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=31092543
 河出書房新社から単行本が最初に出ていたんだね。
 http://www.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=30624663
 表紙のみうらじゅんのイラストがかわいい!

 妻が妊娠した記録を「妊夫」として記録したエッセイ。

 どうしたって妊娠モノって言うと女の人になってしまうよね。あたりまえだけど。
 内田春菊あたりなんてオーソリティーになっちゃってんじゃない?

 著者も書いているけども、「妻の妊娠は楽しかった、だから書いた」。
 というか、スマしてはいるけれども、この著者奥さんのこと好きなんだろなー、と思った。臆面もなく「世界一美しい私の妻」なんて書いているし。
 
 妊娠というドタバタの本に見せて、実は何もできない夫の奥さんへのラブレターだな、と思った。
 こういうことができる人って羨ましいな。ラブレターを書くことも羨ましいし、しかもそれを本にしちゃうことも。

 この松久氏、田中渉氏とのコンビで、去年ちょっとヒットした「天国の本屋」の著者でもあります。
 http://www.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=30773199

 文庫サイズの本で、1時間で読めます。
 これまたヘンテコな話ですけど、ハートウォーミングなお話です。

 またこの本をめぐる話もちょっと伝説化しています。
 鎌倉の小さな出版社で刊行されたものの、さっぱり売れず廃棄寸前になってたところ、たまたまこの本に目をつけた盛岡の有名書店の店長が「感動した!うちで売るからたくさん送ってくれ!」と店頭に並べ、それがその本屋で売れ、「「天国の本屋」がおもしろい」と口コミになったそうです。
 売れたからいい本には間違いないけど、「売れなかった本を発掘してバカ売れさせた」という話が全国の書店をインスパイアさせて、全国の書店で並べられた、という方がなんだか可笑しい。