芸能人本と侮るなかれ!研究する姿勢が大切なのだ

 昨日寄った阿佐ヶ谷のブックオフで発見、即購入。
 「男気万字固め」(吉田豪/著・エンターブレイン
 http://www.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=30838912

 芸能人本の収集と芸能人インタビューをライフワークにする吉田豪氏が雑誌のコーナーで、自分の好きな芸能人にロングインタビューしたものを集めたもの。
 そのメンツが山城新伍ガッツ石松張本勲小林亜星さいとうたかを、と男汁溢れるメンツばかり!
 
 確かにどの芸能人のインタビュー話もおもしろいが、いちばんおもしろいのが、吉田豪本人。とにかくヨイショしまくるのだ。
「いや〜ホント会うのが夢だったんですよ!」「今日は僕の持っている資料全部持ってきました!」「ムチャクチャ格好いいですよ!」「最高ですねぇ〜」などともう持ち上げまくり。
 勝手に「兄ィ」と書いてたりするし。 

 しかしただヨイショしているわけじゃない。インタビューに対して膨大な資料を引用しているのだ。膨大な資料というのが、そう、芸能人本。
 といっても芸能人本の古本ほど見つけにくいモノなんです。
 芸能人本は水モノだから、すぐに内容が古びて廃刊になっちゃうから期間が過ぎたら本屋には並んでない。古本屋も売れないから店に持ちたがらないから、極めて集めるのが難しいジャンルなのだ。
 しかし吉田氏はその膨大な芸能人本を自前のPCデータベースにしているらしいから、スゴイ!例えばAさんの著書でBさんのことについて書いていることも、AさんBさんそれぞれの名前で検索できるというから、ネタは莫大な量になるのだ。
 
 そこで「ああ、それでこれこれこういうことになったんですね」と振ってみる。すると「えっ、なんでそんなことまで知ってるの?!」とか「よく知ってるねー、勉強してるね」などと反応が返ってくる。
 自分のことを知ってくれる人を、嫌う芸能人はいないからね。インタビュイー(インタビューをする人)の心構えとしては、日本でも最高峰でしょ。

 芸能人の面々もおもしろいし、吉田氏の勉強熱心さとインタビューの巧みさもおもしろい、お買い得な1冊でした。

 吉田氏はいろんな雑誌でコラムを書いているのだが、しかしこのインタビューを掲載していたのが雑誌の名前が「月刊TVチョップ」って・・・TV番組表と山城新伍のインタビューを一緒に読みたいか?(笑)