古い雑誌はネタの宝庫!編集の切り口は学ぶことが多い

 ウチの会社の都内の別のところにある営業所との連絡便は地下2Fにあって、同じフロアにゴミの分別所があります。
 出版社のゴミとなると、たいがいが紙ゴミ。山のような(というかホントに山)紙の束が捨ててあるんだけど、その中に古い雑誌を発見!
 表四(裏表紙のこと)の広告が「ドコモの携帯」なのに織田裕二?!、ふ、古っ!ソッコーで回収してきました。し、しかもオイラの愛読誌、「ダヴィンチ」ではございませんか!

 今回調達(拾ってきた)のは1996年6月号から、1997年4月号!
 表紙の人みんな若いなぁ〜。読者プレゼントがテレホンカードだったり、「ホームページ開設しました」って堂々と書いてあるところに時代を感じるよ。

 昔のダヴィンチは、今ほどはしゃいでない感じですね。装丁もシンプルだし、特集も大作に依存せずに実直に勝負しているのがすがすがしい。「”不幸中毒”の予防法」とか「香港ポルノは共産主義に勝てるのか?」なんて特集なんて今以上に文芸の香りが漂ってます。デキのいいフリーペーパーみたい。まだまだ雑誌の編集ノウハウがなかったんだろうな、というのが読んでてわかるもん。
 オイラの好きな書評のコーナーも当時はなくって、今は2Pになっている広告ページも昔は15Pもあったんやね。さすがはリクルート、広告主体の雑誌ではあったようだ。今ではそんな風には見えないよねー。
 「”本の世界”のナゾを斬る レオナルド調査隊」なんてオイラのような出版業界の人間にはたまらない特集ばかりやってるな〜。おお、宮台真司の連載はまっとうな社会学の話じゃん!社会学部出身のオイラはこういう「宮台論」のほうが嬉しい!
 
 この雑誌の創刊編集長なのが、長薗安浩氏。まったく新しい雑誌ブランド「ダヴィンチ」を築いたスター編集長なのです。
 それまでの書評誌といえば、上からものを言うような教条的な書評ばかりで(実際に書評誌といわれるのが「週刊読書人」「図書新聞」、何ちゅう名前だ!)もっと軽く手にとってもらえる書評誌をつくろう、ってんでできたのが「ダヴィンチ」なのだ。

 
 この長薗氏はいまはリクルート社を辞め、エッセイスト、評論家として活動しています。そして昨年には待望の文芸小説を刊行!
 「祝福」(小学館
 http://www.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=31047459
 
 書評誌元編集長が書いた小説ですよ。見過ごせませんぜ!