降雨で中止になるプロ野球も最近見なくなったね。

 さーて、日本シリーズも終了。長嶋ジャパン(どこかで聞いたようなネーミングだな)がアテネオリンピックに向けてアジア各国チームと対戦しているところだね。

 ほいで、土曜日に図書館で借りてきて、連休で読んでしまったのがこの本なのだ。
 
 「牙 江夏豊とその時代」(後藤正治講談社
 http://product.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=30935812

 残念ながら日本一を逃した阪神タイガース。今でこそメジャーリーグだのID野球だのドーム球場だのFAだのビジネスとしてエンターテイメントとしてなんだか立派になっちゃってるけど、そもそも野球って泥臭いスポーツだったはず。今でもオリンピック種目にならないくらいにマニアックであったはずなんだよね。
 そんな時代の阪神タイガースを支えた、時代を反映する選手として著者が選んだのは、江夏豊だったのだ。

 阪神、南海、広島、日本ハム、西武と両リーグを渡り歩き、オールスターでの9連続奪三振、広島vs近鉄戦の「江夏の21球」、「リリーフピッチャー」を初めて確立したピッチャー。大リーグへの挑戦、引退してからも覚醒剤で逮捕など、話に事欠かないピッチャー。

 この本は江夏豊という人物評伝ではあるものの、江夏氏へのへインタビューは最小限にとどめ、氏をとりまいた当時の人々の話が中心にすすみます。彼の球を受けたキャッチャーの田淵幸一という有名人から、彼を担当していた無名のスポーツ新聞記者までとさまざま。
 人物評伝というよりは、1960〜70年代の時代のにおいを描いた作品って感じ。
 そのせいか各新聞や雑誌の書評の反応は良く、「2002年前期書評に載ったのが一番多かった本」だったそうな。なんだかなー。なまじクセがある本じゃないだけに、なんだかむず痒いよ。だいたい書評書く人らって、その世代の人じゃん!
 
 しっかし、この本の持つ空気は今の時代に味わえないのは確かだよねー。そんな郷愁が今年の阪神福岡ダイエーに見られたから、今年の日本シリーズは盛り上がったのかもね(先日の日記を参照されたし)。選手をお金で集めたチームが優勝するだけだったら野球なんて面白くないもん。

 アジア野球予選と同時にやってるワールドカップバレー、超ホームゲームじゃん。たまらんやろ外国のチーム。