「ノンフィクションの技法」を知るには役に立つ一冊!

 今日は午前中は水道蛇口の工事。午後は図書館ボランティア。ヒマだったなー。夕方からは明日のゴスペルの教会礼拝の準備で教会まで。なんだかんだと忙しい一日だこと。

 ふー、やーっと読み終わった!
 「情報系 これがニュースだ」(文春文庫・日垣隆
 http://product.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=30794167

 Qたろうお気に入りの作家ジャーナリスト、日垣氏の文庫本デビュー作。

 内容は、朝日新聞社の雑誌「論座」に連載されていたものの単行本化の文庫化(ああややこしい!)で、発売されたのは2001年なんだけど、内容的には1995年なので、ちょい内容が古くなっているところはありますな。第1章の「動く地図」なんてつまり「カーナビ」だったり、「電脳情報ボックス」って「ホームページ」のことじゃん!とかね。まーそれはご愛敬。

 連載時のテーマが「情報の技術」ってことで、多種多様なテーマで書いています。一見バラけているようにも見えるんだけど。
 緊急時に情報を的確に伝えるとはどういうことかという「被災者報道」、情報を手に入れる能力つまり「レファレンス」の教育について、従来の地方自治・知事像を払いのけた高知県知事・橋本大二郎氏への密着取材、昭和最高の講談師とうたわれながら交通事故で記憶喪失になった男性の話などなど・・・

 まー言っちゃったら、世の中のありとあらゆるものを大別してみれば、「情報」と「技術」になっちゃうんだけどね。パソコンで言えば「ソフト」と「ハード」、会社で言えば「ノウハウ」と「資本力」、ゴスペルでで言えば「歌」と「楽器」、バイクで言えば「乗る人」と「バイク」とか。
 まーちょっと(いやかなり)こじつけ。

 ついでに言うと、日垣氏は取材・執筆の方法も「情報の技術」だとこだわり、さまざまな方法で試みています。
 ロス疑惑で捜査官として活躍したジミー佐古田氏との「対談」はまだわかりやすく、確信的な情報は通常取材のような正攻法では手に入らないという前提のもと、でも調査対象はどこかで何か情報をこぼしているから念入りに情報ソースを洗う「アームチェアノンフィクション」や、娘の部活動に関与した話の「私的ノンフィクション」だったり、当時普及したばかりの電子メールのみで取材を行ったり・・・

 なんとなく読んでいると損をする一冊ですな。ま500ページもあるからなんとなくじゃ読み切れないんだけど。