雑誌「宝島」の流転?迷走?転換?の歴史

 つい駅で手持ち無沙汰になってしまったので、キオスクで買ってしまった雑誌が、これ。
 月刊「宝島」
  http://tkj.jp/tkj/takarajima/
 1974年に創刊だから、すでに30年!
 今では総合出版社となっている宝島社ですが、昔はJICC出版局という名前だったのだ。社名を変えたのはこの「宝島」の版元だからってことなのです(JICCって何?)つまり雑誌名が社名になったという、命がけの看板雑誌。

 しかーし。30年も出版している雑誌とはいえ、この「宝島」ほど人格の変わった雑誌はありません。「いつみても波瀾万丈」もびっくりの歴史なのだ。
 
 創刊当時は、今で言えば太田出版の「QuickJapan」みたいなアナーキーな雑誌だったのだ。しかし80年代になると音楽に傾倒して昔の「月刊カドカワ」や「Rollingstone」みたいな雑誌になり、そして90年代はグラビアニュース誌に転換するのだ。今で言えば「プレイボーイ」みたいなところか。

 そしてそして、1999年にはニュース週刊誌として3たび形を変えたものの、あえなく撤退、現在はなんとビジネス誌として月刊誌として生きています。
 ビジネス誌というか「DIME」あたりが近いような気がするけど。

 まーとにかく、よく言えば時代時代に即応して、悪く言えば一貫性の主張なく、生き続けている希有な雑誌。
 そこまで変えるんだったら、雑誌の名前変えろよ!というときには、すでに社名にしちゃってたんだろなー。かわいそうに。

 しかし、雑誌「宝島」の最大の功績は、やっぱり「ムック」(作り的には雑誌だけど、ほとんど本を変わらない読ませる内容のもの)を定着させたことなんじゃないかなー。
 刊行から15年、すでに1000点を刊行しようとしている「別冊宝島」、そこからさらに分化してノンフィクションとして定着した「別冊宝島Real」。みんなもどこかで読んだことあるんじゃないかなぁ。(前にも紹介した「僕たちの好きな・・・」シリーズとか!)

 その間にも単行本も出すようになったし、新書の「捨てる!技術」はベストセラーにもなったしね。

 出版社の中でも、多様性・ゲリラ性に関しては、一番オーソドックスでアナーキーな出版社なのだ(知り合いのライターいわく「アイツら頭おかしいよ!」とか言ってたけど、多くは知らないのでこれ以上書けないけどね)