線路とマニアの語りは続くよどこまでも。

 つい最近、鉄道に関する記録が変わったのだ。
 「日本最南端の駅は?」と聞かれると、こないだまで「鹿児島県指宿市西大山駅」だったんだけど、今年の8月に沖縄県にモノレールができて、「沖縄県那覇市赤嶺駅」になったのだ。
 「沖縄都市モノレール」通称「ゆいレール
 http://www.yui-rail.co.jp
 実に記録更新が40年ぶりなんだね。まさか沖縄に鉄道(といってもモノレールだけど)ができるとは思わなかったからね。

 そんな地理マニアのオイラの目を輝かせる本を発見、あっさり読了。
 「鉄道ひとつばなし」(講談社現代新書原武史/著)
 http://product.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=31183710

 たいがい鉄道の本となると、「最高時速は何々」「日本一の直線線路はどこどこ」みたいな記録記述に固執しちゃうんだけど、この本はもちっとゆったりしている感じです。もちろんそういう記録的なものもあるけど、個人の記憶をもとに書いているから、エッセイに近いかも。だって本職は大学教授なんだよ。
 とはいえ、彼の得意分野である近代天皇制についても書いてあり、なかなか意義深い。

 そもそも鉄道は、今でいえばジャンボジェット航空路線や高速道路路線のような、最高技術を尽くした交通手段だったのだ。最高の交通手段を何に使うのか、といえば、国家事業になるのだ。鉄道路線の東京〜下関が開通したのは1888年、ちょうど日清戦争の直前。つまり首都東京から朝鮮半島への軍港・下関に交通手段をつくることは、国家事業だったわけなのです。
 つまり鉄道はお国のもの、というところから、東京の鉄道と天皇についても、この本では1章を費やしています。そういや今でも天皇家が葉山や那須にいくときは東京駅から電車だもんね。それから都内の人はわかると思うけど、原宿駅に誰も使っていない、でも高尚そうなホームがあるじゃない。あれも天皇家専用のホームなんだよね。

 この著者はこんなのも書いてます。
 「「民都」大阪対「帝都」東京」(講談社メチエ新書)
 http://product.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=30414230

 ちなみに「新幹線をのぞいた鉄道の最高時速は160km(ほくほく線・特急はくたか)」「日本一の直線線路は中央線の中野〜立川間」

 あーまったくヤダヤダ、これだからマニアは。