数学って、理屈じゃなくってキレイなもんだよ。

 元銀行員の友達と飲みました。高校からの友人なんだな。
 まー数字に惑わされた、魑魅魍魎とした金融の世界を垣間見させてもらったよ。

 なぜこんなに経済がこじてるのか、不況がどうのこうのと揉めるのか。それもこれも日本人の「数字コンプレックス」に因るんだな、と思いましたわい。
 「資本準備金が・・・、デリバティブが・・・、だから」という言葉を耳にした瞬間に思考停止してしまう、オイラを含めた文系(って文章書いているだけなんだけど)の問題なんでしょう。

 でも、世の中には数学苦手な人のための本ってのもあるから、まー気になさんな。
 「フェルマーの最終定理」(サイモン・シン著 青木薫 訳・新潮社)
 http://product.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=30642780
 そのために書かれたわけじゃないけど、数学のノンフィクション話。数学を理解するってよりは、数字の不思議な世界に魅了されるなかなかイカした本です。

 コンピューターが相当に発達して、円周率なんか1億桁までもとめられてしまうこのご時代に、何と定理が発表されて、それがそれが証明されるまで300年もかかった定理があったのだ。
 それがフェルマーの最終定理であり、しかもこの定理が有名なのは、一見簡単に証明できそうに見えてしまうところにあるのだ。

 だって定理の意味だけならオイラでも理解できるんだもん。
 「aのx乗+bのx乗=cのx乗という式があるとき、xは2以上の数字は成立しない」ということ。

 たとえば3の二乗9+4の二乗16=5の二乗25は、成立するけど、これが三乗になると、a、b、cにどんな数字を入れても成立しないという、定理なのだ。
 しかもこれを定理としたフェルマーは、この定理をキチンと公式に発表したのでなく、彼の死後、彼のメモ書きから見つかったことから、当時からして、誰一人証明することができなかったのだ。

 この間には、有名無名を問わず、様々な数学者がチャレンジたものの解決されず、それでも1995年にこれを解き明かしたのが、イギリスの数学者ワイルズ。そして彼がそれの定理が明らかになった、その後はいかに・・・。
 
 謎があって、それを解き明かしたときに、人はどうなるのか。
 定理の謎よりも、そっちの人間臭みの方が、じゅうぶん魅力的だよ。

 え、数学はどうなったかって?んー自分で勉強しなさい(無責任)