東京の地図を見て想像力を広げられる人、必読!

 あけましておめでとうございます。
 今年も「役たた」ご愛顧のほどよろしくお願いいたします。 

 しかし冬休みは時間の宝庫。普段なかなか時間が取れなくて読めなかった本たちを、アホみたいに読んでます。その熱意が仕事にほしいところだ。

 さっそく読了したのが、東京の地下の複雑怪奇さについて、それを今までにない視点から書き下ろしたこの本。年末に書店で見つけて即買い、即読了!
 「帝都東京・隠された地下網の秘密2 地下の誕生から「1−8計画」まで」(秋庭俊洋泉社
 http://product.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=31316653

 いやー前作もおもしろかったけど、前作はまだ調査に対してアプローチがあやふやだったところが難点だった。でもこの「2」の方は、それを裏付ける歴史考証と分析が深く掘り下げられていて、前回以上のおもしろさになってる!

 まず、東京の地下を語るには「なぜ徳川家康は、関東の一寒村でしかなかった江戸に城を築いたのか」という疑問から説明しなければいけない、という話になる。
 結果は水路を利用した「大砲」という脅威から逃れるのに最適だった、という話から、それから江戸末期の「黒船」の脅威、そして明治時代の「富国強兵策」、それから第二次世界大戦時の防空。多く語ると本の面白さをそこねちゃうけど、つまり今の東京の都市基盤はすでに江戸時代から始まっていてそれが根幹になっている。ということなのです。
 しかもそれはごく秘密裏に作られていた、というのがこの本のミソになってるところ。首都という機能から見れば、一般市民に知られずにつくられるのはやむを得ないし、情報も隠される理由もあるな、と思っちゃう。

 しかし、それを実際に現在売られている市販の地図から読める、というから驚きなのだ。
 
 一つだけネタバレを言ってしまうと、東京23区にはあるはずのない「市役所前」という交差点名が、なぜか地図の上では存在する、ということなのです。しかもハッキリ明示されて、誤植であるはずなのにここだけは直されずに改訂されるらしいのです。 

 ちなみに主な地図の出版社はこちら。
昭文社http://www.mapple.co.jp/
東京地図出版http://www.chizu.co.jp/
ゼンリンhttp://www.zenrin.co.jp/

 本の中で使用されていた、肝心の人文社がホームページないじゃん。
 ますます怪すぃー。