地方にいても図書館サービスを受けられる世の中へ!
今日は中央区東部に仕事で行ってきたのですが、この辺はマンションの開発が凄い!ホントにそこかしこで建設してます。そもそも地価が下落した上にオフィスとしての需要も低下、住宅金融公庫の金利は依然安いままだし、しかも都心へのアクセスは絶好!ってなワケでタケノコの如く建設ラッシュになってるのだな。
今日はこの本を読了!
「図書館を遊ぶ エンターテイメント空間を求めて」(渡部幹雄・新評論)
http://product.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=31197679
恒例の(?)図書館本です。前に読んだ浦安図書館やニューヨーク図書館の話の本が都市の図書館の話なら、この「図書館を遊ぶ」は地方の図書館のお話しになります。
著者は滋賀県愛知川図書館館長。人口10000人ほどの町に、月間貸出数20000冊(町民一人当たり月に2冊!)を誇る図書館なのです。
ここでも描かれるのは図書館の本を借りる貸すだけの図書館でなく、住民と一体になって作っていくイベントの数々。モンゴルの馬頭琴に感動した著者がいろんな人脈や関係団体への依頼を求めて、ゲル(モンゴル移動民の白い布の住居)を展示を並行したり、農村にも都市に劣らない文化があることを地元住民にもしってもらおうと、農村の姿を描いた人形展を開いたり。
オイラの田舎にもこんな図書館があったらなぁ。まともに図書館ができたのが高校3年生の時で、それからすぐ大学に行って田舎を去ったからほとんど活用できなかったんだもんなぁ。
そして何より著者が強調しているのが、図書館への司書の充実。事実、公立図書館は自治体が運営しており、図書館で働くのは地方公務員としてというのが先にきてしまいがちなのだ。司書職という専門性はあまり重視されず、図書館が住民課とか水道課みたいな、自治体の一セクションとしてしか機能しておらず、地域住民に対応した十分なサービスができていないのではないかと訴えます。
まだ図書館があるところはまだよくて、地方に関しては図書館の設置率が39パーセント。これはまだ数字の問題で、著者は今後の市町村合併で数字としてはおそらく設置率は上がるだろうが現状は何も変わらず、問題視されなくなることの方を恐れています。
図書館設置と言う量、司書の充実という質、ともども必要な問題ですな。
「個人ひとりひとりが、考える素地を与えられる環境」、都市でも地方でも必要なことです。