結婚・出産という「宿題」をし損ねた女性たちへ。

 年末に紹介した「結婚の条件」が男性必読の本なら、この本は世の女性必見!絶対読んで!「勝ち犬」も「負け犬」も!
 「負け犬の遠吠え」(酒井順子講談社
 http://product.esbooks.co.jp/product/null/top/detail?accd=31203026
 で、再度確認。「負け犬」とは何かと言うと、「未婚・子なし・30歳以上」であり、勝ち犬は「既婚・子あり・30歳以上」ということなのだそうだ。いちおう「オスの負け犬」というのもあるようで、「オタク・責任を持たない男・理想の強すぎる男・ブス男・モテるけどダメ男」のことだそうです。
 男と女の関係だけでなく、女性の間にも深くて長い河があることに気づかせる名著!それだけで1冊の本をつくってしまうとは、いやはや。

 しっかしこの著者、文章が巧い!「上手い」んじゃなくて「巧い」んですよ。「負け犬」という悲哀のペーソスを受け入れながらどこか悠然としている、でもどこか笑い飛ばしているんだかいないんだか。という、簡単言うと「万人受け」スタイル。(←それも「負け犬」のスタンスとして必要だと書いてはいたけどね)
 スラスラ読みやすいのも、売れている理由かもね。

 多くの負け犬の傾向にある、高学歴で仕事もバリバリという女性はつまり「男」と同じであって、「男と同じ女」に男がどれだけ惚れるかというと、疑問だよなー。「いまどき女性は大学ぐらいでていないと」という言葉には「オスの勝ち犬を見つけるため」という言葉が言外に隠されている、と考えていた方がいいかもね。

 考えてみれば、「だめんずうぉ〜か〜」の著者「くらたま」こと倉田真由美も出身は文系トップクラスの一橋大学出身。それを「ダメな男とつきあってしまう」という笑いに昇華させることでブレイクしたのも、ひとえに「負け犬」的生き方。
 前にAERAで「結婚の条件」の小倉千鶴子氏と酒井順子氏の対談はあって、これもおもしろかったけど、ぜひともくらたまとも対談してほしいなぁ。これを読んでいる編集者!ぜひ実現させてくれい!(遅い?)