谷岡遺伝子の注入で、しょげた男にもパワーをおくれ!

 またも女性誌が創刊します。
 小学館女性誌Oggi」「Domani」を卒業した、40代手前あたりの女性を対象にした雑誌でございますがな。
 「Precious」
 http://www.shogakukan.co.jp/magazines/mag/precious.html
 40手前あたりとか言いながら、表紙が小雪ってのがちょっと違和感。しかし彼女以外に創刊号の表紙になる女性もおらんやろしな。
 男性誌が縮小していく中、女性はパワーまだまだ健在ですね。

 読み尽くしましたよ、「ヤスジのメッタメタガキ道講座 もうひとつの「少年マガジン黄金時代」」(谷岡ヤスジ/作・内田勝/監修・実業之日本社
 http://product.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=31331099
 
 今や普通用語となった「鼻血ブー」や、「ムジ鳥」の「アサーッ!」のギャグを世に出した、スーパーハイテンション天才、谷岡ヤスジ。享年56才の若さで亡くなったのですが、彼の死後、各方面から彼をリスペクトする声が上がり、今回は週刊少年マガジンに掲載された「メッタメタガキ道講座」をほぼ全掲載する形で復刻したのが、この本なのです。
 今回は当時編集長だった内田氏を監修につけ、マンガの再録だけでなく各方面の漫画家やアーティストからのインタビューも掲載されています。
 とはいえ、オイラも知ったのはつい数年前。オイラの敬愛するミュージシャン、奥田民生氏が自らのツアーグッズに谷岡氏のキャラクターを使用したところから、彼のマンガを知ったのだ。
 マンガを読んでみると、奥田民生の音楽が理解できるんだな、これが。牧歌的情景のなかに、虚無。かといって孤独でも悲惨さはなく、時折、衝動的なエキセントリックさ。でも基本技術を外している訳ではなく、どこか安心して見れる。
 
 監修が、当時の週刊少年マガジンの編集長なので、ちょっとした編集術・編集心得も垣間みることができ、業界の人にとっても貴重な1冊になっております。リスペクトマンガに西原理恵子いがらしみきおしりあがり寿いしいひさいち唐沢なをき東陽片岡という豪勢なメンバー。

 枕元において、寝る前にチビチビ日本酒を飲むような感覚で読みたい本です。谷岡ヤスジも日本酒も度がすぎると毒になるってのが共通点。