日本人にも欲しいもんだ、アメリカ大統領選挙の投票権

 しばらく前に買って読了したものの、なかなかレビューが書けてなかった。てっか実は「読書」案内も久々だったりしてー。

 「おい、ブッシュ、世界を返せ!」(マイケル・ムーア/著・黒原敏行/訳・アーティストハウス)
 http://product.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=31304396

 前作「アホでマヌケなアメリカ白人」で、ブッシュ大統領を「笑い殺し」し、映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」も好評を得たマイケル・ムーアの新作です。
 「アホでマヌケな〜」はそもそも、2000年のアメリカ大統領選挙の不正について問いただした本で、いざ発売の時に、かの「9・11」。あまりにもタイミングが合いすぎてしまい、「アホでマヌケな」もこの本も種々の圧力で刊行不可になったかもしんないんだって。
 今回はその9・11後のアメリカ、ブッシュ大統領のアラブとの不穏な関係について書きまくってます。
 そこから出てきたのは、ブッシュ一族とビンラディン一族の石油をめぐる関係。ブッシュの父親の会社にビンラディン一族の会社が投資していたり、テキサス州知事時代にタリバンがパイプライン建設のためにテキサスを訪問していたり、9・11直後アメリカ国内にいたビンラディンの一族(!)をすぐに国外に飛ばせたこと、などなど・・・。
 マイケル・ムーアの情報が、多種多様で断片的な情報が怪しいところもあるし(情報の裏取りに疑問があるってこと)、その情報も膨大すぎるため、読者の脳内麻痺状態になってしまうところがちと難ありだな、と思ってしまった。とはいえこれだけ公にアメリカの批判ができるセンスは素晴らしい!
 石油枯渇後の社会を書いた第3章は近未来SF調で書かれ、いかに今の世の中が石油で支えられているかを、老人マイケル・ムーアと孫との対話で痛切に皮肉ってて、おもろい!
 この3章しかり、6章は神の声を出してきたり、8章は富裕層対象の減税でマイケル・ムーアが印税収入から減税対象になった話など、息抜き的な章立てもあって、読みやすくつくられてるわ。

 そして、今年11月にはアメリカ大統領選挙マイケル・ムーアも選挙を前に第3弾を執筆中とのこと。目的はズバリ、ジョージ・ブッシュを落選させること、なんだって!作中に書いてます。

 これから見逃せないね、アメリカ大統領選挙マイケル・ムーア
 http://www.michaelmoorejapan.com/