非文学的青年の読書案内。

 1ヶ月ほど前に会社で頼んで読み終わっていたのですが、なかなか感想忙しくて書けなくて。
 「文学的商品学」(斎藤美奈子紀伊国屋書店
 http://product.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=31329493
 
 オイラのフェイバリット作家、斎藤美奈子女史の新作!意外にまっとうな文芸評論です。
 帯のコピーが「商品情報を読むように、小説を読んでみよう」。近代から現代までの小説に登場する「モノ」に着目し、それがどういう描かれ方をしているのか、というところから小説を読んでみよう、という、相変わらず意地悪な作品です。
 小説の分類は青春、風俗、貧乏、とざっくりとしたところから、ホテル、オートバイ、野球、フード、と固有名詞のものまで9つほど。そのジャンルの小説はこういう風に解釈できる、分類できる、書き方にこんな傾向がある、と様々な小説をスパスパと斬っていきます。

 まっとうな文芸評論であるからなのか、うーん、気の聞いた感想が思い浮かばない。だってオイラ小説なんか読まないんだもーん。映画は見るのにね。
 文脈だとか、文章のコンテキストとか、引用だとか、たぶん小説・文学には重要なことなんだろうけど、それがどうして面白いのか、よーわからんのです。したがって、今回のせっかくの斎藤女史の新作も、なんだかサックリ読んで「ごちそうさま」という感じでした。
 それはそれで、ちょっともったいないかもね。「役たた」登場が遅れたのもそんな理由なのかもしれません。
 
 最近の小説と言えば、「世界の中心で愛を叫ぶ」ついに200万部突破。
http://product.esbooks.co.jp/product/keyword/keyword?accd=30814456
 意外に文芸小説のヒットがなかった小学館の、宮部みゆき模倣犯」のヒットを超えるヒットになりました。
 柴崎コウ曰く「泣きながら一気に読みました」らしいです。
 ははぁ、一気に読めるほどの内容なんだろなーと、意地悪なオイラは思ってしまうのが、きっと小説読まない理由なんだろーな。