少年よ、世界の中心で愛を叫べ。

a2c_sato2004-08-28

 今日は図書館ボランティア。小雨も降って、いつも以上にお客さんは来ませんでした。あまりにヒマだったったんでついに読みました。というか速読してなんとか読み終えました。昨年・今年のベストセラー、「セカチュー」こと「世界の中心で、愛をさけぶ」(片山恭一小学館
http://www.esbooks.co.jp/books/detail?accd=30814456
カスタマーレビューが641件!すんごい量。

主人公の朔太郎は(たぶん)高校生。中学から知り合ったアキと出会い、恋をし、死別します。
はい終わり。

 そっけなく書いてしまったけど、仕方ないよ。文章がそっけないんだもん。村上春樹みたいなテイストもあるけど、それほどの含蓄や背景が見いだせない。「死」については多く語っているけど、その反対の「生」については何にも語ってないんだよね。
 カサカサ感だけが残りました。第一ファーストキスが「枯れ葉の匂いがした」って何やねん。高校生なのにやたら結婚について云々語ったり古文にうるさいのも老獪感を深めてくれます。
 そして主人公朔太郎、ダメ男、とは言わんが、君何もできとらんよ。友達にセッティングしてもらい彼女にも理解してもらっても一線を越える事をせず、彼女と死別して何ーんにも感覚を得ない。地球環境に興味を持ってても特にそれが何かに結びつくわけじゃない。アキと死別することが大人になってそれが糧になったかというと、それもよーわからない。
 彼の「中心」が何かわかんないし、世界に対して叫ばず逆らわず汗もかかず汁もかかず。唯一オーストラリアに一緒に行こうとしたことくらいかな?それも「誰か助けてください」だからね。「いま助けてあげるから!」じゃないんだ。

 生きることって、泣いて憎んで傷ついてボロボロになって叫んでわめいて、経験してはじめて得られる肉感じゃない?
 「世界の中心で、愛をさけぶ」。大いに結構。さんざん好きなだけ叫んでくださいな。で、どうするの?そこから先がなきゃ、経験の意味がないってもんだい。