性差別・セクハラ言動にご用心!
さあて、ついに新刊が出たので会社で頼んで木曜日に届き、さっくり読み終わりましたよ。Qフェイバリット文芸評論家・斎藤美奈子の新刊。
「物は言いよう」(平凡社)
http://www.esbooks.co.jp/books/detail?accd=31451772
また何ちゅうタイトル・・・。
しかし、ああ本気出してきたな。と手応えを感じる作品。なぜなら今作は文芸批評でも性差別・セクハラに近い言動について語っているから。休刊になった雑誌「噂の真相」で連載していた「性差万別」の単行本化となればよくおわかりでしょう。
世間を騒がせた、またそうでもない言葉を拾っては、斎藤氏が「フェミコード(FC)」を基準にバッサバッサと斬っていく「セクハラ防止マニュアル」。
そもそも彼女はフェミニストであることを否定していたんだよね。しかし「モダンガール論」文庫版あとがきで、大学時代の恩師に事実を暴露されてしまったせいか、今作はフェミニズム爆発!
http://www.esbooks.co.jp/books/detail?accd=31303520
しかし彼女の文章を読むと、視覚が変わる感じ。単純にあー女の人ってこんなふうに考えているのか、と。常識や慣習に捕われないのがとても新鮮。そもそも批評ってそういうことなんだけどね。
セクハラマニュアル実用書の様相に見えるけど、実は評論としてかなりハイレベルだよ。
俎上に挙げられるのは、失言政治家や朝日新聞ばかりでなく、和田秀樹に渡辺淳一に渡辺昇一などアカデミズムや文芸の重鎮。異性ばかりでなく曾野綾子に林真理子・・・斎藤氏の仕事に支障きたさなきゃいいけど。
噂の真相死して屍を残す。