文系と理系の幸福なビジネス成功モデル、アマゾン。

a2c_sato2005-02-12

 先日、仕事出先の飯田橋の書店で購入。あっという間に読了!
「アマゾンの秘密 世界最大のネット書店はいかに日本で成功したか」(松本晃一・ダイヤモンド社
http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31487185
 アマゾンの話なのにリンクをセブンアンドワイにしちゃ世話ないよ。はっはっは。

 著者は2000年11月のamazon.co.jpの立ち上げに参加したマーケティングプランナー。およそ2年近くアマゾンに所属し、その立ち上げから運営までを参加した人間ならではの視点でアマゾンを語っていきます。
 というのも、いままでアマゾンについてはその内部を知る書籍は少なく、せいぜいアメリカでアマゾンを立ち上げた、ジェフ・ベゾスを取材した「アマゾン・ドット・コム」(ロバート・スペクター・日経BP社)くらいしかなかったもんですのでね。
 http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31487185
 ちなみに以前オイラはこいつを買いましたが、確かすべて読み切れず断念、売り払った記憶があります。また買ってもいいけど、インターネットの日進月歩の世界をみると、内容ももう古びてるかもね。 

 著者はアマゾンをナンバーワンのネット書店、しいては世界一のeコマースサイトにするために、アマゾンは何をやってきたのかを余す事なく語ってくれています。
 その要因を簡潔に述べると、徹底的な顧客主義というポリシー、そしてそれを実現するための膨大なネットワーク技術とプログラム技術。もちろんマーケティングも忘れちゃいけないぜ。前半はカスタマーキャンペーンやデータベース、商品の確保やエディットなど、文系の話、後半は技術の話がメインになります。「アマゾンはサイトでなく、一つの膨大なプログラム」という言葉は、使っている人間からしてなるほどと思わせてくれます。
 しかし実は一番面白いのは本文冒頭にある文章。彼は社員としてでなくコンサルタントとして立ち上げに参加したのだけども、「もし正式に社員契約をしていたとしたら、このようにアマゾンのことを本に書き留めようとなど夢にも思わなかった」という、アマゾンに挑戦ともとれる爆弾発言が、楽しい。
 文系人間も理系人間も面白く読めるようになっている、不思議な本です。今度はこの手のコンピュータ本も読んでみるか。