常識をもう一度考えてみたい人へ「トラウマの国」
今日は上京してきた兄と兄嫁候補と渋谷でランチののち、会社の元同僚の結婚式二次会で恵比寿へ。
ひさびさに会った元同僚らとそのまま恵比寿の店で3次会へ。
ケッコンという現場を1日で2つも見てきたもんで、心理的につかれました。
アマゾンのユーズドで購入、読了!
「トラウマの国」(高橋秀実・講談社)
http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31496383
オイラのフェイバリット作家、高橋氏の新刊。様々な媒体で書いたノンフィクションエッセイをまとめたもの。例によってと言うべきか、氏の丹念に取材すればするほど、本質が予想していたこととズレて「アレっ?」と言わしめられる事ばかり。
テーマは、子ども、英会話、トラウマ、夫婦生活にスローライフに日本共産党、などなど。
どれもテレビや新聞でよく見かけ、口あたりがよくティピカルものが多いテーマ。「ゆとり教育が子どもの負担に〜」「経済のグローバル化にともない、多くのサラリーマンの英会話熱が〜」「日本国憲法は政治信条と〜」とか、あたりまえですが、高橋氏の手にかかればそんな話にゃなりません。
トラウマのセラピーに通う女性は「治ったらどうしようかと今、真剣に考えているんです」と悩み、日本共産党の京都市左京地区の青年支部の政策と計画が「刺繍作り」だったり、スローライフで会社リタイア後隠岐の島に移住した60歳男性はその地区で”最年少”であるために地域の人に推されて区長になったり。オイラが追っかけている「地域通貨」についても、滋賀県草津市にルポタージュとして足を運んで、氏のトホホ感で書かれています。
高橋氏は、いわゆる常識とされるものに対して常に「なぜ?」という問いかけを持ち、普通の人なら通り過ぎるようなことでも立ち止まってしまうようです。「あとがき」には氏のこれでもか、というモヤモヤっぷりが書かれています。
ものごとを見る目はこれくらい徹底的に主観的でなければならんのですし、だからこそ他のノンフィクションライターとは一線を画し、オイラみたいな偏屈な読者の目にとまってしまうのですな。
ただの揚げ足とりにも見える一面もありますが、果たして自分で考えることとはどういうことか、ということをこれほど不器用に身を呈して、主観を捨てずに(色眼鏡で見る、というより、自分という芯を忘れずに、という意味)書く人は珍しいのではなかろうかい。
おう、一冊新作があるようです。
「センチメンタル・ダイエット」(アスペクト)
http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31527464
これも読まな。