あなたとあなたの彼女彼氏との大切な記憶は何ですか

　映画の日を使って、新宿の映画館に見に行きました。
「エターナルサンシャイン」
　http://www.eternalsunshine.jp/
　脚本が「マルコビッチの穴」や「アダプテーション」の鬼才、チャーリー・カウフマンっつーことで、注目していた映画。
　ある朝、ジョエル（ジム・キャリー）は不思議な手紙を受け取った。「クレメンタインはジョエルの記憶を全て消し去りました。
今後、彼女の過去について絶対触れないようにお願いします。ラクーナ社」。クレメンタイン（ケイト・ウィンスレット）とは最近喧嘩別れした恋人。彼女は彼との記憶を消してしまったのだ。そのことにショックを受けたジョエルもまた、ラクーナ医院を訪れ、自分も彼女との日々の記憶を消してほしいと頼む。
　記憶は最近のものから順次消されていくようになっており、施術者も脳の中でそれを理解している。しかし最近の険悪な関係も記憶をたどると、やがて出会ったころの楽しく美しい、素晴らしかった日々の記憶も消去する事になっていくことに気づき、ジョエルはその記憶を消したくない！と気づくのだった・・・・
　脇役も豪華！医院の見習い技師に、「ロード・オブ・ザ・リング」のイライジャ・ウッドに、医院の受付嬢に「スパイダーマン」のキルティン・ダンストなどなど。
　
　先に言っておくと、現実にはこんな記憶を消してくれる病院や医療技術があるわけじゃなく、もちろんカウフマン独特の世界。それをＣＧ技術を使ってさらに独特の世界に磨きをかけてみせてくれます。そしてただのラブストーリー、ただの不条理映画にならず、きちんと笑わせどころも外してないのも嬉しい。
　ジョエルとクレメンタインの関係ばかりではなく、医師・技師・受付嬢のサイドストーリーも一癖も二癖もあって、みんなどこか問題を抱えてるんだけど、それが憎めない。
　失恋の記憶はすごくすごく痛いものだけれども、宝石のようにきらめいていた時代も必ずあるはず。この映画を見た後だと、都合の悪い事はみーんな消してしまいましょう、なんて　軽く言えなくなってしまいます。人生生きてきた記憶は良い事も悪い事もあるし、直面せず悪い事から逃げ出したいのも人間だし、悪い事の記憶を消して生きていけるほど強くないのも人間。

　お金だけでは計れない、大切なものに気づかされる作品。さいきん彼氏彼女と上手くいってない人には、まさにオススメしたい映画ですね。