天才少年と父との親子愛「北京ヴァイオリン」

a2c_sato2005-06-11

 レンタルビデオ借りて見ました。チェン・カイコー監督作品。
 「北京ヴァイオリン
 http://7andy.yahoo.co.jp/dvd/detail?accd=D0035415

 中国の片田舎に住むチュン(タン・ユン)。幼い時に母を亡くし母の形見のヴァイオリンを上手に弾く天才少年。父のリウ(リウ・ペイチー)は息子に音楽教育を受けさせようと2人で北京へ上京し、偶然にもアウトローの教師チアンと出会う。
 父は息子を一流のヴァイオリニストに育てようと必死に働き金を稼ぐ。その父を知ってか知らずか、フラフラと美人のお姉さんのところに行ってヴァイオリンを弾いて小金を稼いだり。信頼していたはずのチアン先生も果たして本気で教える気があるのかないのか。
 ちなみにこの父親役は、お笑いコンビ、チョップリンの西野に似てる(って誰もわかんないって)。ヴァイオリンの天才少年チュンはこないだ結婚した会社の先輩にそっくり(だからわかんねーっつってんだろ)。
 この父親が泥臭くしつこく生理的にイヤーな感じなんだけど、憎めない。ひとえに息子の才能を信じて、ただそれだけを人生の喜びとして全うする姿は、かっこ悪くても美しい。音楽の壁にぶちあたるだけじゃなく、思春期独特の悩みを解放できない少年もタダの天才少年役だけで終わらず、好感が持てる。美人のお姉さんも実は重要なキャラクターですので、美貌に見とれてないでね。
 音楽だけじゃなく、現在の中国の経済格差という社会情勢事情も垣間見えます。
 
 ラストの演奏のシーンは涙ものです。こんな少年がこんな骨太で壮絶なヴァイオリンを奏でるとは!圧巻。