大胆に人類の歴史を分析する「銃・病原菌・鉄」

a2c_sato2006-04-17

 すんごく気の遠くなりそうな、壮大なテーマの本です。
 「なぜ地球上で人類は同時に発生したはずなのに、文明に差が出たのか」なんてテーマだもんね。

 そしてタイトルが「銃・病原菌・鉄」だもんなぁ。上巻読了。
 (ジャレド・ダイアモンド/著・草思社
 http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=30738623

 ざっくりと話すと、タイトルにあるように、先んじて銃と鉄を得た文明が、それを持っていない文明を侵略することができた、ということです。
 銃と鉄はなんとなくわかるけど、病原菌ってのは何よ?ということですが、実はヨーロッパ諸国がアステカ、インカ帝国を滅ぼした背景には、西洋から持ち込まれた病原菌によって、戦争以前に圧倒的多数が死亡してしまったという歴史があるのだそうだ。
 じゃあなぜ、西洋人は病気にかかんなくてアメリカ大陸先住民はかかってしまったかというと、家畜を飼っていたかいなかったかによって、差異が発生してしまったのだそうだ。
 そもそも病原菌というのは動物に寄生、動物が罹患する病気が、人間にかかるもので、当時西洋では馬や牛など家畜を飼っていたけど、アメリカ大陸では家畜の文明は発生しておらず、病原菌に対する免疫が存在しなかったために、病原菌が大流行してしまったのだ。

 そう考えると、日本でも同様の状況はあったんだろうね。農耕文化を土台に発生した大和朝廷(おそらくは大陸文化の影響)が南九州の熊襲や東北の蝦夷を討伐した歴史は、まさに農耕文化が狩猟文化に勝利した歴史だもんな。
  
 まだまだ下巻も楽しみっ!