人間には環境は大切だ「銃・病原菌・鉄 下巻」

a2c_sato2006-05-14

 先月読んだ上巻に引き続き、やっとこさ下巻を読了。
 「銃・病原菌・鉄 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎 下巻」(ジャレド・ダイアモンド/著・草思社
 http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=30738625
 
 ざっくりとこの本の要旨を言えば、人類が地球上に登場したのは、どの大陸においても同じくらいの時期であったのに、文明の進化になぜ差が発生したのかという、ある意味、挑戦的な書籍です。
 結論から言えば、タイトルにもある、鉄・病原菌・銃の存在の有無が、文明の差異を決定づけた、のだそうだ。
 しかもその差異は、地理的要因による、というからさあたいへん。

 例えば、植生は気候帯にあまり変化のない東西には移動しやすいが、気候帯が短い距離でも変化する南北には移動しにくい、という原則から、ユーラシア大陸で麦や稲作などの農耕文化が発達し、南北アメリカでトウモロコシの農耕文化がそれほど発達しなかった、という結論を与えています。
 事実、自立発生的に国家が成立したのは、ギリシアと中国で、それぞれ麦と米の原産地に近い、というのは今まで気付いていたようで知らなかった事実だよなぁ。

 上巻では食料生産と病原菌についてでありましたが、この下巻では、言語の発明からみた文明の発達の差異、発明の伝播、社会体制の変遷、オセアニアとアフリカについて書かれております。

 世界中の歴史問題が地理的要素に因るというのは、人間にとって環境は重要だ、ってことなのかな。
 
 常に自分自身を、よき方向に導かれるよう、その身を置く環境について細心の注意を払わなければいけませんね。